オリックスがドラフト4位まで高校生を並べた「余裕と自信」 即戦力大学生投手に見向きもせず
パ3連覇のオリックスは徹底して“原石”を集めた。1位指名は、高校球界ナンバーワン遊撃手と評価される長野・上田西の横山。豊作といわれた即戦力の大学生投手には見向きもせず、唯一、高校生野手に入札して一本釣りに成功した。
「横山は打撃に課題を残すものの、肩と足は超一級品。数年後には一軍で遊撃のレギュラーを張れる逸材です。2位以下もMAX150キロ右腕で潜在能力抜群の河内、享栄高のMAX152キロ左腕の東松快征を指名。他球団が上位指名の枠を即戦力で埋めていく中、4位まで高校生を並べた。それも、戦力的に余裕があるからこそ。
福良GMが就任した2019年からチーム方針を『ドラフトと育成』に転換し、次から次に若手が台頭する好循環を生んでいる。スカウトが目利きした原石を二軍の指導者が磨き、中嶋監督がそれを積極的に起用して一軍の戦力に仕立てる。編成と現場の歯車ががっちりと噛み合い、選手の評価と育成に自信があるから独自のドラフトができる。今年のドラフトを見て改めて、しばらくオリックスの天下が続くと思わされました」(在京パ球団スカウト)