選手チェックで重視した手足の親指の使い方 技術以外ではルックスも評価項目に入っていた
鈴木には球場で視察するときの指定席がある。一塁側か三塁側、目当ての選手のベンチでの様子が見える場所で、立ち居振る舞い、しぐさ、クセも含めてチェックする。
投手を評価する上で重視していたのが、足の親指の使い方だ。
「根本さん(陸夫=西武監督、管理部長)は、『親指を使える選手を探せ』と言っていた。これはどのスポーツにも言えると思います。投手の場合、親指や親指の付け根にある母指球がしっかり使える投手は体幹が強く、体重移動もスムーズで投げ方のバランスもいい。いわゆる蹴りが強く、ボールの球威やキレは増す。打者にも同じことが言えます。親指をうまく使える選手は、踏ん張りが利いて地面を強く蹴ることができ、いい打球を打てます」
手の指の使い方も大事だという。
「打撃では人さし指を除く、親指、中指、薬指、小指の4本をうまく使えるかどうか。人さし指に力が入りすぎると、スイングに力みが生じてしまいます。これはなかなかいないですけど、『点』ではなく『面』で打てるかどうか。といっても、面を意識しすぎると手が先に出て、手打ちになる。簡単にできることではないんですけどね」