故障持ちや素行に訳アリ選手が活躍する分水嶺…出身校や能力値よりも大事なこと
藤原は2年目の06年、ファームで8試合、18回3分の1を投げた。一軍登板は果たせず、プロ生活は3年で終えることになったが、以降は裏方としてチームを支え続けている。
「1位でも下位でも、ドラフト外でも、入ってからが勝負。ケガが完全に治らないような場合はともかく、プロで成功するかしないかは、選手のアタマとココロの問題が大きいと思います。取り組む意識が高く、勉強熱心で向上心があるかどうか。球団によって監督、コーチの指導力や練習環境に違いはあれど、遊んでもしっかり練習する子は育ちます。きちんとグラウンドの内と外で切り替えができるかどうか。
いくらいい学校を出ても、何度も門限などのルールを破るなど、周囲が更生の余地がないと判断する選手は難しい。いくら能力があっても野球がおろそかになれば、チャンスを生かしきれない。人間性がしっかりしていれば、選手としては活躍できなくとも藤原のように裏方として能力を発揮したり、一般社会で活躍したりする。それは私個人として、とてもうれしいことです」
素行が問題になる選手も中にはいるが、「やんちゃくれ」や「ワル」が改心して活躍したケースはもっとある。西武のある試合で鈴木が指名した7人が同時に出場したことがあったという。とことん可能性を信じるスカウティングのたまものだ。