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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

爽やかな世代交代ににじむテニスの歴史…ウィンブルドンは「新旧対決」の末、21歳アルカラスV

公開日: 更新日:

 ウィンブルドン決勝は、昨年と同じ顔ぶれ、37歳のジョコビッチと21歳のアルカラスによる新旧対決だった。

 昨年はフルセットにまでもつれ込んだが、今年は6-2、6-2、7-6のストレート決着。アルカラスのウィナー42本に対しジョコビッチは26本、ブレークポイント14回(同3回)、総ポイント数109-87と、硬軟織り交ぜた若者の完勝だった。

 21歳にして早くも4度目のメジャー制覇。ジョコビッチの初優勝は20歳だったが4度目は24歳で、19歳で初優勝のナダルの場合も4勝目は22歳だった。しかも今回のアルカラスは、全仏(クレー)から海峡を越えてウィンブルドン(芝)の異種サーフェスを連覇する史上6人目のチャンネルダブル、2022年にはハードコートの全米でも優勝している。末恐ろしいとはこのことだろう。

 テニスは常に新しい個性を世に送り出してきた。1990年代に無敵といわれたサンプラスをフェデラーが乗り越え、その壁をナダル、さらにジョコビッチが突き破り……フェデラーの2003年ウィンブルドンからジョコビッチの23年全米まで、計81回の4大大会の66回のタイトルを3強が独占してきた。とても無理と思われたはるか見上げる階段を、22歳のシナーと21歳のアルカラスが上り始めている。

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