柔道男子100キロ級連覇ならず涙…ウルフアロンが失意に暮れて、引退を考えた東京の夜

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「今日は惜しかった。準々決勝に勝っていれば、優勝できた」

「試合運びは間違っていなかった。次に対戦したら勝てる。ここから一気に眠っていた力が爆発するはずだ」

 周囲の激励もあって、ウルフの目の色は明らかに変わったという。

「ウルフは五輪出場を目指すのは、パリで最後にすると決心しました。以前は、ロス五輪も…という思いもありましたけど、パリで一区切り、と覚悟を決めたことで気持ちが吹っ切れたのでしょう。心身ともに充実して、一気に状態を上げていきました」(関係者)

 大会2日後から練習を再開。年末年始はほぼ休みなく、練習場とジムに通い、自らを追い込んだ。今年2月のグランドスラム・パリの優勝でようやく代表切符を掴んだ。

 東京大会後、柔道の普及のために多くのメディアに露出した。持ち前の軽妙なトークでバラエティ番組にも出演。「芸能人になったのか」と批判を浴びることもあったが、本人は「僕の影響で柔道を始めた、という話を聞くとうれしいし、応援してくれる人の方が多いですね。どうしても批判的な意見が目立ってしまっているだけで。肯定する人ってあえて肯定しないし、批判的な人が批判をしている。僕がこういう活動をすることでプラスになることの方が100%多いと思っています」と、信念は揺るがなかった。

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