御年73でも「鬼の井村待望論」が示す日本ASの深刻危機…かつて指導した中国は手の届かぬ高みへ
【パリ五輪】アーティスティックスイミング
メダルには届かなかった。アーティスティックスイミング(AS)の日本は8日未明、最終3種目のチーム・アクロバティック・ルーティン(AL)で7位。総合5位に終わり、銅メダルを獲得した2016年リオ五輪以来2大会ぶりの表彰台を逃し、21年東京五輪の4位から順位を下げた。
2日連続でドタバタだった。前日のFRは2つ目のリフトが事前申告した技と認定されず、最低評価となって約15点の減点。規定の500スイス・フラン(約8万5000円)を払って抗議を申請したものの、判定は覆らなかった。中島貴子監督(37)は大会前、「ARを重点的に高めていきたい」と話していたが、新ルールに振り回された格好だ。
まだデュエットを残す中、東京五輪で監督を務めた井村雅代氏(73)の待望論があるという。AS関係者がこう明かす。
「大本命の中国が3項目全てトップの金。中国の現ヘッドコーチは、08年北京五輪で井村氏が中国を率いていた時の主将。デュエットの代表の選手もジュニア時代に指導したそうです。辞めた後も脈々と『井村式』が伝承され、今や歯が立たない世界トップ国に君臨している。今大会前にはイタリアの臨時コーチを務めるなど、今でも世界からはオファーがある。70代なのは百も承知で、日本に井村氏の待望論があるのです」