著者のコラム一覧
田尻一郎元ソフトバンクホークス広報

1967年、福岡県出身。86年ドラフト外で南海ホークスに入団。88年に引退し、98年まで打撃投手。その後は、一軍と二軍のマネジャー、広報などを歴任した。2023年オフに退団。一軍出場なし。

《松田宣浩の巻》死球禍に思わず弱音、まったく熱くなかった若手時代「このままだと年俸5000万円以上取れない…」

公開日: 更新日:

 体力は新人時代からケタ外れ。新人合同自主トレでは坂道ダッシュの本数を競うメニューがあり、松田の記録はまだ誰にも破られていません。走れと言われたら、いつまでも走っていられる。ホークスで長くコンディショニングコーチを務めた川村隆史さんが、「松田はモノが違う」と驚いていたほどです。

 体が強い半面、死球によるケガが多く、「俺、このままだと年俸5000万円以上取れないじゃないですか……。レギュラー取れないですよ」と、こぼしていたこともありました。そんな松田が試行錯誤の末に決断したのが、「ベースから離れて立つ」でした。松田が「これで当てられたらやばいっしょ」と立った位置は、普通の打者への内角攻めがど真ん中になるくらい。

 僕は投手時代、内角に投げる時はバッターボックスとベースの間の白線を狙っていました。死球のおそれはありますが、それ以上ベース寄りに投げたら、甘くなった時に一発や長打を浴びかねない。だとしても、ベースから離れた松田に当てるほど内角に投げる投手はいません。

「マッチの位置で当てる投手がいたら、そりゃもう野球選手ちゃうわ」

 と、僕も松田に言ったものです。

 そんな松田と同じ逆指名ながら、一軍定着に苦戦したのが抑えで活躍した馬原孝浩です。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    エースの留年が影響か?昨夏王者・慶応まさかの県大会16強敗退…文武両道に特別扱い一切なし

  2. 2

    松本人志「事実無根」から一転、提訴取り下げの背景…黒塗りされた“大物タレント”を守るため?

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    《小久保、阿部は納得できるのか》DeNA三浦監督の初受賞で球界最高栄誉「正力賞」に疑問噴出

  5. 5

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  1. 6

    松本人志「文春裁判」電撃取り下げも待つのはイバラの道…“白旗復帰”画策にも視聴者・スポンサー・制作側から総スカン

  2. 7

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  3. 8

    2位「ライオンの隠れ家」、1位「わたしの宝物」を抜く勢い! 坂東龍汰が名作映画ファンの“批判”も封じた

  4. 9

    横綱照ノ富士が「引退できないジレンマ」から解放される日…在位20場所で12回目休場の崖っぷち

  5. 10

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実