《松田宣浩の巻》死球禍に思わず弱音、まったく熱くなかった若手時代「このままだと年俸5000万円以上取れない…」
体力は新人時代からケタ外れ。新人合同自主トレでは坂道ダッシュの本数を競うメニューがあり、松田の記録はまだ誰にも破られていません。走れと言われたら、いつまでも走っていられる。ホークスで長くコンディショニングコーチを務めた川村隆史さんが、「松田はモノが違う」と驚いていたほどです。
体が強い半面、死球によるケガが多く、「俺、このままだと年俸5000万円以上取れないじゃないですか……。レギュラー取れないですよ」と、こぼしていたこともありました。そんな松田が試行錯誤の末に決断したのが、「ベースから離れて立つ」でした。松田が「これで当てられたらやばいっしょ」と立った位置は、普通の打者への内角攻めがど真ん中になるくらい。
僕は投手時代、内角に投げる時はバッターボックスとベースの間の白線を狙っていました。死球のおそれはありますが、それ以上ベース寄りに投げたら、甘くなった時に一発や長打を浴びかねない。だとしても、ベースから離れた松田に当てるほど内角に投げる投手はいません。
「マッチの位置で当てる投手がいたら、そりゃもう野球選手ちゃうわ」
と、僕も松田に言ったものです。
そんな松田と同じ逆指名ながら、一軍定着に苦戦したのが抑えで活躍した馬原孝浩です。