惨敗続きのラグビー日本代表は「ひどく厄介な事態」に陥っている…27年W杯へ向けジョーンズHCがすべきこととは?
時が経つにつれて、対戦相手に研究されて輝きを失い、テストマッチは4勝7敗。対戦時にランキング上位のチームを倒したのは9月15日のサモア戦のみで、つまり、世界を驚かせたのは最初だけだった。
この秋はニュージーランド、フランス、イングランドと、世界ランク上位の強豪国と戦ったが、すべて50点以上の大量失点。超速のメッキがはがれた印象を国内外に与えた。
要因はいくつもある。
27年のW杯オーストラリア大会を見据え、これまで代表に選ばれていたベテランをほとんど起用せず、若手を大量に抜擢したこと。そのため経験値が低く、試合の勝負所を見極められなかった。
負傷者が相次ぎ、伸び始めた"未来の主力"が次々と離脱。チームの骨格も揺らいだ。
司令塔の10番でも負傷者が続出。李承信→松田力也→山沢拓也→立川理道→松永拓朗→ニコラス・マクカランと6名が務めることになり、これではゲーム運びが安定しないのも無理はない。
選手たちに超速を徹底させるため、練習の多くがアタックに割かれ、組織防御を整備できなかったこともマイナスに働いた。キックへの対処もきっちりと遂行できず、攻守ともに対戦国から見劣りした。