ドジャースだけ「後払い契約」がボロクソ叩かれる理由…なぜ他29球団はマネしないのか、できないのか?
野球文化学会会長で名城大准教授の鈴村裕輔氏はこう言う。
「後払い契約はもともと、90年代に一般的な手法だったのです。後払いを連発して選手を集め、2001年のワールドシリーズを制したのがダイヤモンドバックスでした。ところが、いずれ支払わなければならない後払いによって後に経営破綻した経緯がある。後払いは利息まで付けて返済する義務が生じるため、経営者は大きな負債を抱えることになるわけで、2010年代に入ると一般的ではなくなった。例えば代替わりしたヤンキースのスタインブレナー家やカブスのリケッツ家は家業を守らなければならないし、後先考えない投資はやりづらいのです」
そしてこう続ける。
「メジャーのオーナーは投資家が多い。ドジャースのウォルター・オーナーも投資家です。が、投資家は大きく分けて2通りある。ひとつはウォーレン・バフェット型で、株式を長期保有する堅実なタイプ。もうひとつはジョージ・ソロス型。ハイリスク、ハイリターンで積極的に投資をするタイプです。多くのオーナーがバフェット型なのに対し、ドジャースのウォルターはソロス型。勝ち続け、常にドジャースタジアムを満員にしていくつもりなのでしょう」