データ偏向主義が野球をつまらなくしている…先鞭つけた元編成責任者が主導したルール改正
アウトになるリスクを冒してまで盗塁をすることはない、という以前の自説を覆すようなベースのサイズの変更も主導した。
おかげで2023年リーグ全体の盗塁は3503個、前年の2486個から1000個以上増えた。今季、大谷が成功した59個の盗塁は、このルール改正の影響も否定できないだろう。
彼の言う知性主義(これはデータ偏向主義とも言えるかも知れない)こそが野球から本来の姿を奪い、面白くないものにしているのだという。投げて、打って、走って、捕る……それこそ野球本来のプレーであり、それらで満たされた試合こそが野球の面白さということだ。
ピッチクロックの導入もしかり。これは年々、長くなってきた試合時間の短縮が本来の目的ではない。試合中、何も起こっていない時間を減らして、もっとアクションを増やそう、というのが真の狙い。早く投げなさい、早く打ちなさい、どんどん走りなさい、守るべき場所で守りなさい、ということなのである。
結果としてメジャーにおける試合は、よりプレーそのものにあふれ、スピーディーで楽しいものになったと言えるのではないだろうか。