佐々木朗希を日本開幕2戦目に先発起用するドジャースの思惑…“市場開拓”以外に大きな理由が
「スプリングトレーニングで状態を見極めてからの最終判断になるが、順調にいけば2戦目で投げるだろう」
佐々木朗希(23)が日本時間13日、アリゾナ州グレンデールのキャンプ地で捕手を相手に35球のピッチング。力のこもった速球、スプリット、スライダーを見守ったドジャースのロバーツ監督は、佐々木を3月19日のカブスとの日本開幕2戦目に先発させたいと言った。あくまで「状態を見たうえで」という条件付きながら、それは球団の意向でもあるという。
18日の開幕戦に昨季7勝(2敗)でワールドシリーズ制覇にも貢献した山本由伸(26)が投げるのは「妥当」(ロバーツ監督)として、ドジャースには実績ある先発候補が目白押しだ。
昨季9勝(6敗)の160キロ右腕・グラスノー(31)、FAで獲得したサイ・ヤング賞2度のスネル(32)、2023年に11勝(4敗)したミラー(25)に加え、22年に16勝(1敗)したゴンソリン(30)やメイ(27)も故障から復帰予定。先発候補はヤマほどいるのに、日本で年間通してローテを守った経験がなく、マイナー契約の佐々木を開幕2戦目に起用するのはなぜか。
「大谷(30)も含めて山本、佐々木という日本のプロ野球を代表する選手を獲得したドジャースは、早くも今後に目を向けている。ルーキーの佐々木を即、開幕シリーズで起用することによって、メジャー予備軍ともいえる村上宗隆(25=ヤクルト)や高橋宏斗(22=中日)へのアピールにしたい。日本のトップクラスの選手を根こそぎ獲得するつもりなのです。さらに日本のファンの注目を集めて市場を拡大する意図もあるのでしょうが……」と、特派員のひとりがこう続ける。
「要は、佐々木の起用法を探りたいのですよ。ドジャースは大船渡高(岩手)時代から佐々木に注目、綿密な調査を続けてきた。細かいデータを取るだけでなく、実際にロッテ関係者にも体力面や肩肘の状態などについて、かなり突っ込んで聞いたといいますから。けれども、佐々木が環境の異なるメジャーでどう対応するかは未知数。まずは公式戦で投げさせたうえで、疲労度や筋力の回復具合をチェックしないことには、今後の起用法についてメドが立ちません。他の先発については実績もあるし、起用法も熟知している。まずは佐々木がどの程度、戦力として計算できるか、見極める必要があるのです」
マイナー契約の佐々木は、メジャーの40人枠を確約されているわけではない。開幕2戦目の先発だから、とりあえず開幕メジャーは内定しているものの、内容が伴わなかったり、体力面でメジャーは難しいという判断が下れば、40人枠を外れてマイナー落ちもあり得る。佐々木にとって、開幕2戦目のカブス戦はメジャーでの生き残りをかけた試金石なのだ。