ドジャース大谷「WBC不参加」懸念は消えず…本人は乗り気も「代表サイド」と「カラダ」が抱える大問題
MLB機構と選手会が負担する超高額保険料もネック
懸念材料は他にもある。
仮に大谷がWBCに出たいと思ったとしても、カラダの問題をクリアする必要があるからだ。
大谷は一昨年の秋に2度目の右肘手術を行い、現在は投手復帰に向けて調整を進めている。昨オフには、ワールドシリーズで盗塁時に脱臼した左肩も手術した。
「故障が再発すれば当然、出場は不可能。さらに10年1000億円という超大型契約を結んでいる大谷は、保険の問題も抱えています」とは、放送関係者。
「WBCに出場するには、事前に保険の加入が必須。保険料はMLB機構と選手会が負担しますが、前回大会の際は、出場を希望していたドジャースのカーショーが過去の故障歴を理由に保険料が高額となり、辞退に追い込まれた。その金額は10万ドル(約1500万円)とも20万ドル(約3000万円)とも言われている。シーズン終了時に故障者リスト入りしていた選手は保険の加入が難しくなるうえ、故障リスクが野手より高い投手や、過去に故障歴のある選手は保険料が高額になる傾向がある。まして大谷は、超高給取りでなおかつ投打二刀流。投手、野手の2人分の保険に加入する必要があると指摘する声もある。しかも、過去に2度、右肘にメスを入れ、左肩にも古傷も抱えている。今季の大谷は投手復帰の時期を先送りしており、来シーズンから本格的に二刀流としてプレーする。ドジャースが出場を認めるかどうかは、不透明と言わざるを得ません」
実際、井端監督がこの春、ドジャースのキャンプ地を視察した際にフリードマン編成本部長と会話を交わしたが、同本部長は大谷に関して、「(井端監督から)出場の打診はなかった」としたうえで、出場可否については「現時点ではその話は早すぎる」と、多くを語らなかった。
大谷のWBC出場を願うファンは多いだろうが、「運営」と「カラダ」の問題を抱えるだけに、まだまだ予断を許さない。
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日刊ゲンダイは過去に大谷の両親や恩師、同級生を徹底取材。いまではメディア露出を控えるようになった両親だが、当時はふたりの「出会い」まで直々に語ってくれた。それらを網羅した連載コラム【二刀流の血脈】も要チェックだ。