「平穏死できる人、できない人」長尾和宏著
日本では、1950年代までは自宅で亡くなる人が80%を超えていた。2014年の今、自宅で亡くなる人は10%ほどとなり、90%以上が病院で死ぬ時代となっている。
医療が進んだためなどと喜んでいる場合ではない。病院で死ぬということは、過剰な延命治療を施され、自然で穏やかな死である平穏死を迎えられないということだと著者。
胃ろうなどの人工栄養や、人工呼吸、人工透析という3大延命治療を受けるのか、それとも人間らしい平穏死を選ぶのかは、元気なうちに家族と話し合っておくべきだ。本書では、自宅でのみとりの方法や平穏死をかなえてくれる医師の探し方、そして平穏死の意思を書面で残す「リビングウイル」についてなど、詳しく紹介していく。
(PHP研究所 1300円)