書き下ろしミステリー編
「時限発症 検疫官 西條亜矢の事件簿」仙川環著
かつて放浪のジャーナリストと呼ばれた葛木がアフリカでの取材を終えて帰国直後に消息を絶った。
警察に相手にしてもらえず、人づてに父の行方を捜す娘の夏帆は、検疫官の亜矢にたどり着く。葛木は、入国審査前にかけてきた最後の電話で、熱があるので検疫の健康相談室に寄ると話していたのだ。亜矢が調べると、相談室に立ち寄ったものの感染症の疑いはなく、すぐに入国したことが分かった。
しかし、空港の駐車場での目撃情報以降の足取りはつかめない。1カ月後、葛木の訪問先の隣国で新型感染症発生のニュースが舞い込む。亜矢は、葛木のアフリカ行が新感染症の取材のためだったのではないかと疑う。
医療サスペンスシリーズ第2弾。(PHP研究所 740円+税)