まっとうな幸せとは何かを考える本特集
「持たない幸福論」pha著
京都大学を卒業し、就職したものの「できるだけ働きたくない」意志を持って退社。アラフォー、年収100万円前後、シェアハウス発起人。そんなインテリニートの著者が記した幸福論。
章立ては衝撃の3本柱「働きたくない」「家族を作らない」「お金に縛られない」だ。怠け者の言い訳と侮ってはいけない。彼のゆるい覚悟と知性あふれる解釈、なによりも脱力感に満ちた幸福論は、馬車馬のごとく働いてきた人間を骨抜きにする力がある。一方で、この3本柱は現代日本が抱える諸問題に通じているとも。時間の使い方、家族という概念の変質、お金の価値観。まっとうな幸せとは何かを改めて考えさせられる。(幻冬舎 1200円+税)