公明党「平和の党」虚偽表示の歴史
「平成政治20年史」平野貞夫著(幻冬舎新書)
公明党には、もう、ウォー・パーティー、つまり「戦争の党」とルビを振らなければならない。自民党と連立政権を組んで、憲法違反の安保法制を成立させようとしているのだから「平和の党」を名乗るのは虚偽表示だろう。一刻も早く連立を解いて、安保法制ならぬ戦争法案に反対するのでなければ、詐欺罪を適用されても文句は言えないのである。公明党のバックの創価学会の、特に婦人部は戦争反対であり、現憲法擁護だといわれるが、それも偽りではないのか。
衆議院事務局に就職して以来、園田直や前尾繁三郎といった自民党の大物にかわいがられ、近年は小沢一郎のブレーンとして知られる平野貞夫は、公明党が自民党と連立協議を始めた時、当時の幹事長、冬柴鉄三はそれに反対する議員に「すべては池田名誉会長を守るためだ」と言い放った逸話を紹介し、さらに、2003年のイラク戦争に際しての公明党の堕落ぶりを批判する。
この時、公明党は代表の神崎武法がイラクのサマワを数時間視察して安全を演出するという“猿芝居”をやって自衛隊の派兵を了承した。そして、公明党支持者にとって経済的に負担の少ない所得税の定率減税廃止を自民党にのませたのである。「平和・福祉・人権」が立党の理念だったはずの公明党の看板を塗りかえなければならないほどの露骨な取引だった。すでに、そのころから、看板に偽りありだったと言っていい。それを厚顔に取りつくろうように幹事長の冬柴は「大量破壊兵器を持つイラクを叩くことが平和の道だ」とか、「イラクはスプーン1杯で約200万人分の殺傷能力がある炭疽菌を約1万リットル保有している疑惑がある」と言いふらしていた。大量破壊兵器などなかったことが判明した現在、残念ながら自民党と共に公明党の責任追及はされていない。