「高学歴なのになぜ人とうまくいかないのか」加藤俊徳氏
自覚のある人はどうすればいいのか。
「鏡を前に、いろいろな表情をして喜怒哀楽を知ることですね。また、さまざまなタイプの人に会い、他者認識能力を磨くことです。脳は筋肉と同じで年齢に関係なく、鍛えればどんどん育ちますから」
学歴コンプレックスがある人は、頭のいい人をうらやましく思いがちだが、そんな必要はない、とも。
「脳は新しい刺激によって活発に活動しますが、すでに知識でいっぱいの彼らは簡単に満足できません。感情が動きませんから、絵を見て覚える感動も、他人の親切のありがたさも、普通の人より感動が低いんですよ。学歴はなくても、満遍なく脳番地が働く普通の人のほうが人生は幸せです」
その他、賢い人の口達者ぶり、怒鳴り癖、自慢といった言動を起こす脳のメカニズムや対処法などにも言及。高学歴者に悩まされる人、必読の一冊だ。(PHP研究所 780円+税)
▽かとう・としのり 1961年、新潟県生まれ。医学博士。MRI脳画像診断、発達脳科学の専門家。昭和大学大学院卒業後、米国ミネソタ大学、東京大学などで脳を研究。著書に「脳の強化書」「脳の学校ワークブック」など多数。