「ちょい投資」荻原博子氏
実際に、老後の不安解消のために退職金1000万円を投資信託に預けたものの、ITバブル崩壊で400万円になったという痛々しい話もある。
「2000年に野村証券が販売した投資信託の話ね。あれはいまだに元金まで戻っていません。担当のファンドマネジャーには夜な夜な無言電話がかかってくるとか……」
投資信託以外にも「外貨建て生命保険」や「変額個人年金」など、リスクを知るべき商品は多々あるそうだ。結局のところ「投資するな!」という話になるのでは?
「金融機関の商品だけが投資ではありません。『ご当地電力市民ファンド』や『被災地ファンド』など地域活性化と心の豊かさにつながる投資もあります。株や為替も、金融機関の人の話は聞いたらダメ(笑い)。ネットで小口購入をおすすめします。日々の値動きを自分の目で確かめられますからね。だから『ちょい投資』なんです」
(中央公論新社 1400円+税)
▽おぎわら・ひろこ 1954年、長野県生まれ。本紙でも幾多の役立つビジネス&マネー記事を執筆・監修。堅実な家計運営法と資産防衛策を提案し、TVコメンテーターとしても活躍中。「貯め込むな! お金は死ぬ前に使え。」「荻原博子のどんと来い、老後!」など著書多数。