「植物は〈知性〉をもっている」ステファノ・マンクーゾほか著、久保耕司訳
植物が知性を備えていることを解き明かす驚きのサイエンスノンフィクション。
植物に知性がないというのは人間の思い込みに過ぎず、実は植物も感覚を備え、コミュニケーション能力もあり、社会的な生活を送っているという。植物が「におい」(正確にはBVOC=生物由来揮発性有機物の微粒子)によって周囲の環境から情報を得るなど、人間の持つ五感すべてに加え、さらに他にも15もの感覚を持っていることを実例を挙げて明らかにする。それらの感覚を用いて、彼らは自分の置かれている状況を把握し、他の植物や昆虫、動物とコミュニケーションを図っているという。植物への考え方が百八十度変わるお薦め本。(NHK出版 1800円+税)