「黒い本」オルハン・パムク著、鈴木麻矢訳

公開日: 更新日:

 イスタンブールの弁護士ガーリップが帰宅すると、風邪で寝ていたはずの妻・リュヤーがいない。妻が残した手紙は彼女の異母兄・ジェラールがコラム執筆に使うものと同じ緑色のボールペンで書かれていた。ジェラールに電話すると仕事場にくるように言われたが、彼は不在。編集室で尋ねてみると、彼はもう10日も原稿を送ってこないという。コラムで街に関わる逸話を書いているので、そういう街のどこかの隠れ家で息も絶え絶えになっているのではないか。2人が一緒にいると考えたガーリップは妻を捜して街をさまよう。

 コラムに描かれた街の奇妙な逸話と個人の歴史が交錯する迷宮のようなミステリー。

(藤原書店 3600円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    三浦大知に続き「いきものがかり」もチケット売れないと"告白"…有名アーティストでも厳しい現状

  2. 2

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  3. 3

    サザン桑田佳祐の食道がん闘病秘話と今も語り継がれる「いとしのユウコ」伝説

  4. 4

    松嶋菜々子の“黒歴史”が石橋貴明セクハラ発覚で発掘される不憫…「完全にもらい事故」の二次被害

  5. 5

    NiziU再始動の最大戦略は「ビジュ変」…大幅バージョンアップの“逆輸入”和製K-POPで韓国ブレークなるか?

  1. 6

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  2. 7

    下半身醜聞の川﨑春花に新展開! 突然の復帰発表に《メジャー予選会出場への打算》と痛烈パンチ

  3. 8

    モー娘。「裏アカ」内紛劇でアイドルビジネスの限界露呈か…デジタルネイティブ世代を管理する難しさ

  4. 9

    伸び悩む巨人若手の尻に火をつける“劇薬”の効能…秋広優人は「停滞」、浅野翔吾は「元気なし」

  5. 10

    小松菜奈&見上愛「区別がつかない説」についに終止符!2人の違いは鼻ピアスだった