「働く女子のキャリア格差」国保祥子著
経営学者であり、人材育成の仕事にも携わる著者は、ママ友から「出産して時間の制約を受けるようになってから、営業成績が急によくなった」と聞き、目からウロコが落ちる思いをしたという。それを機に育休中の女性を対象に経営勉強会を催したところ大盛況。多くの企業で「女性は出産すると仕事への意欲を失う」と言われているが、育休中の女性の就業意欲はむしろ高く、問題は職場の環境や管理職とのミスコミュニケーションにあることが分かったという。
働く女性が出産を機に陥りやすいキャリアの落とし穴とそこからの脱却のヒント、女性を生かすことの企業にとってのメリットや課題など、事例を挙げて解説した働き方改革本。
(筑摩書房 800円+税)