「歪んだレンズ」宮城啓著

公開日: 更新日:

 亡き父から社員10人足らずのマツオ製作所を引き継いだ松尾亘は、銀行の融資を受けられずに苦しんでいた。追い詰められて、昔の同僚が紹介してくれたメディカルファンドに声をかけたら、「あなたに投資するんです」と5000万円融資してくれた。

 ところが取締役会で、ファンドから派遣された副島と小沢は、電動車椅子の開発は承認するが、赤字の金属加工はやめて、工員は全員解雇しろと言い出した。抵抗する亘に2人は社長解任を言い渡す。数カ月後、亘は妹の和美から、マツオ製作所がファンドから大手カメラメーカーのプロビデンス社に売却されたことを聞く。

 大手企業の粉飾決算を描く企業小説。

(KADOKAWA 1600円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭