「小説・新聞社合併」大塚將司著
発行部数首位を走る大都新聞の社長・松野は、明朝の朝食会に備え、社が用意したホテルにチェックイン。その後、近くの料亭で業界3位の日亜新聞の社長・村尾と密会する。部数の減少に頭を悩ましていた松野は、1年前から極秘に村尾と合併話を進めており、話し合いはいよいよ大詰めを迎えていた。遅れて会合に加わった双方の取締役編集局長は、初めて合併について聞かされる。
会合後、松野は部下で愛人の香也子をホテルに呼び出す。その日は、10年前に出張先のパリで2人が初めて関係を持った記念日だった。もとはといえば日亜との合併も香也子が言い出したことだった。
大新聞社の合併をテーマに、業界人たちの生態を描く企業小説。(展望社 1700円+税)