「劉裕」小前亮著
4世紀末の東晋では、孝武帝の弟、司馬道子が実権を握っていた。孝武帝が愛妾に殺された時、司馬道子は皇太子を即位させて傀儡とした。敵対する貴族の王恭は反乱を起こすが、司馬道子の息子、司馬元顕の命を受けた劉牢之に処刑される。
博打に明け暮れていた劉裕は、母親代わりに育ててくれた叔母に意見されて北府軍に入り、劉牢之の部下になった。反乱軍の偵察に向かった時、敵に遭遇して隊長が「かかれ」と叫んだ。ところが、相手は偵察部隊ではなく本隊で、1000人以上はいる。劉裕は大剣を振り回し、たったひとりで敵を殲滅する。その活躍で名を上げて、やがて将軍に……。宋を建国した劉裕の疾風怒濤の生涯を描く。
(講談社 1850円+税)