「最高の日本酒」大竹聡著
酒飲みライターの著者が「がぶ飲み」企画に疲れていた頃、そば屋でうまい酒に出合った。店の主人が教えてくれた「地酒の小山酒店」の店主は酒蔵と協力して新たな日本酒の世界を切り開いている。小山氏推奨のひとつが栃木の「仙禽」。11代目蔵元の薄井一樹氏が実家に戻ったとき、普通酒を大量生産していた実家は経営難にあえいでいた。
ブドウ栽培からワインの生産まで一貫して行うワインの醸造元をドメーヌというが、薄井氏は「㈱せんきん」のドメーヌ化をめざす。
米を地元で取れる亀ノ尾、雄町、山田錦に限定。仕込み水と同じ水脈の田で栽培された米で酒を造ることにこだわった。酒に関わる熱いドラマがいっぱい。
左利きでない人にも読んでほしい一冊。
(双葉社 1400円+税)