「ざんねんな食べ物事典」東海林さだお著
世の中には、インスタ映えには程遠いB級グルメなるものが存在する。本書は、そんなB級だからこそ日々リピートするさまざまな食べ物について大いに考え、大いに語る食エッセーだ。
たとえば、日本人の国民食ともいえるラーメン。超高齢社会を迎えた日本で、要介護状態の老人がラーメンを食べたい場合、介護者不足の打開策として介護ロボットが老人にラーメンを食べさせる状況が考えられる。だが、ロボットがスープの小袋をどう開封するか、カップラーメンの適切な湯の量をどう認識するか等々、その際直面する問題について重箱の隅をつつくように考察を深めていく。
「気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている」の筆者・村瀬秀信氏との対談も収録。
(文藝春秋 1350円+税)