「衰退産業でも稼げます」藻谷ゆかり著
110年以上続く酒販売店「原商店」(長野県上田市)は、近年赤字続き。そんな家業を継いだ次男夫婦が最初に目を付けたのが先々代の頃から製造販売していた天然醸造の味噌だった。
ほとんどPRしないでいたが、店頭で積極的に量り売りを始めると評判になった。また、味噌仕込みのときに祖母がつくる「まかない甘酒」に着想を得、ペットボトル詰めでの無添加甘酒を始めたところ、大ヒット。これらの「お宝」に気づいたのは他家から来た嫁の有紀さんで、客観的に価値を見いだす「ビギナーズマインド」が功を奏したのだった。
スモールビジネスを研究する著者が、「商店・旅館・農業・伝統産業」など衰退産業における再生のための3つのキーワードから、16の成功事例を紹介する。
(新潮社 1500円+税)