「明日へのスキャット」由紀さおり著
著者の「由紀さおり」としてのデビュー曲「夜明けのスキャット」は、ラジオの深夜放送の番組「夜のバラード」のテーマソングだった。「安田章子」でデビューしたものの鳴かず飛ばずで、CMソングを歌っていたのだが、由紀の声を気に入っていた、いずみたくが声をかけた。
当時、映画「男と女」の物憂い「♪ダバダバダ、ダバダバダ」という、曲に意味のない音をつけて歌う「ヴォーカリーズ」がはやっていたので、由紀に歌わせてみたいと思ったのだ。譜面を渡して「これに好きなように言葉をつけて歌ってみて」というので、スキャットだけで歌ったら、ラジオ局に問い合わせのハガキが殺到した。
カーネギーホールを沸かせた由紀さおりの半生記。
(集英社 1389円+税)