山口祐二郎という右翼はなぜ排外主義者と闘うのか 近著を読む

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 ところが、2000年代以降の解放同盟は、直接の抗議・糾弾を避ける運動形態になってきていた。加えて、「すべての人に人権はある、相手の意見も尊重しますよ」「相手の言い分も聞きましょう、紳士的に」という話になる。

 はっきりいって、差別糾弾を生命線とする解放運動思想の劣化です。そこから運動は衰退していくわけです。在特会の言い分を聞く必要ありますか?って話です>

 本を読んでから、山口をあらためてインタビューしようかと思ったのだが止めた。熱量のある本がまずあるのだから、読者が自分の読み方で読めばいい。現場を這う者は身体で知っているからこそ、その言葉はシンプルで力強いのだ。

(文・平井康嗣/日刊ゲンダイ)

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