山口祐二郎という右翼はなぜ排外主義者と闘うのか 近著を読む

公開日: 更新日:

 ところが、2000年代以降の解放同盟は、直接の抗議・糾弾を避ける運動形態になってきていた。加えて、「すべての人に人権はある、相手の意見も尊重しますよ」「相手の言い分も聞きましょう、紳士的に」という話になる。

 はっきりいって、差別糾弾を生命線とする解放運動思想の劣化です。そこから運動は衰退していくわけです。在特会の言い分を聞く必要ありますか?って話です>

 本を読んでから、山口をあらためてインタビューしようかと思ったのだが止めた。熱量のある本がまずあるのだから、読者が自分の読み方で読めばいい。現場を這う者は身体で知っているからこそ、その言葉はシンプルで力強いのだ。

(文・平井康嗣/日刊ゲンダイ

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…