山口祐二郎という右翼はなぜ排外主義者と闘うのか 近著を読む
巻末には対談が2つ。一つ目はこれまでのネット右翼を長年取材している安田浩一だ。安田とは、排外主義者と手をくみ出した戦後右翼のありようを考えていく。
<何より危機感を持っているのは、それなりに力がある既存右翼がネトウヨとくっついて、ヘイトスピーチに加担していること>(山口)
<今の自民党内に、日本第一党と変らない差別・排外主義者はいっぱいいるでしょう? つまり、自民党はネトウヨというマーケットを掘り起こして、カバーしているわけです>(安田)
二つ目の対談は、モナド新書の版元である「にんげん出版」の代表、小林健治。小林は被差別部落差別のど真ん中で戦ってきた筋金入り。部落解放同盟で活動し、袂を別った小林は差別を糾弾する運動が弱くなったと指摘する。
<在特会みたいなカルト差別集団をリアル世界に生み出してしまった責任の一旦は、わしらにあるんじゃないかということ。かつての部落解放運動ならば、目の前に在特会みたいな奴が「韓国人、死ね、殺せ」なんてひとこと言おうものなら、身体を張って実力で止めさせるでしょう?