「暮らしの図鑑グリーン」境野隆祐、AYANAS著
コロナ禍で引きこもり生活を余儀なくされる日々が続くが、不安やストレスでささくれだった気持ちをほぐしてくれるアイテムのひとつが観葉植物だ。しかし、園芸店やネット通販で気に入ったグリーンを購入して部屋に置いてみても、なかなかイメージ通りのすてきな空間にはならない。
そんな悩みを解消してくれるのが、観葉植物の楽しみ方のすべてを教えてくれる本書だ。
グリーンは、部屋の装飾品だが、生き物であることを忘れてはいけない。それぞれの植物には自生地によって好む温度や湿度、日照環境があるので、部屋のどんな場所に飾るかを決めてから選ぶのが良いという。
他にも、小さな鉢植えを並べるときに葉の形が異なる植物を組み合わせてみるとか、見慣れた普及種の植物でも変わった形に仕立てられた個体を探す、樹形にこだわってみる、そして意外にも育てやすい大きな植物をインテリアの主役に据えてみるなど、まずは選び方を詳しく解説。
続いて鉢植えカバーや高低差にこだわる飾り方、少ないスペースでたくさん飾れるハンギング、グリーンに囲まれた憧れの暮らしを実践するお宅訪問、そして多肉植物の寄せ植えや、オブジェのように壁にかけて飾れる人気のシダ植物ビカクシダ(コウモリラン)の板付けなどのDIYまで。読み進めるうちに、早く自分好みのグリーンを手に入れたくなってくる。
その上で、世に砂の数ほどある観葉植物の中から、流行のいまっぽいものから定番まで64種を紹介する植物図鑑、季節ごとの注意点などの育て方・世話の仕方まで、手取り足取り解説。これまでたくさんのグリーンを買っては枯らしてきた猛者でも、この一冊で「緑の手を持つ人」になれる日も近いかも。
(翔泳社 1800円+税)