「希望病棟」垣谷美雨著

公開日: 更新日:

 系列病院から神田川病院に着任した女医の摩周湖は、新薬の治験に参加する末期がん患者の桜子と貴子の担当を前任者から引き継ぐ。高校2年の桜子は、生まれてすぐに母親に捨てられ児童養護施設で育った。一方、貴子は代議士の妻だが、夫や姑は貴子のことよりも間近に迫った選挙のことで頭がいっぱいのようだ。

 口下手な摩周湖は、不用意な発言で患者や家族を怒らせてばかり。同僚医師や看護師らから見放されても、先輩のルミ子だけは変わらず接してくれる。

 そんなある日、摩周湖は病院の中庭で拾った聴診器を落とし物として届けようとするが、ルミ子に助言され診療時に使ってみる。するとなぜか聴診器を通して患者の心の声が聞こえてくる。

 ベストセラー「後悔病棟」に続く感動長編。

(小学館 690円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…