「妻の罪状」新津きよみ著

公開日: 更新日:

 自宅で介護していた義母のヨネと夫の牧男を殺害した春子は、国選弁護人の奥寺に心の内を明かす。

 10年前、ヨネが脳梗塞で倒れ、春子はパートを辞めて姑の介護に専念。夫の妹や弟は介護を手伝うこともなく、春子への感謝の言葉もない。やがてヨネがレビー小体型認知症を発症し、定年退職した牧男も介護に加わる。しかし、牧男はボケたヨネの言葉に腹を立て手を上げてしまう。それ以来、また春子に介護を任せきり。

 そんな中、転んで骨折した牧男まで寝たきりになってしまったという。裁判員裁判で春子に異例の判決が下った後、奥寺は、抱いたわずかな疑念を確かめるために春子の唯一の話し相手だったという女性に会いにいく。

 相続や終活など、現代社会の問題を盛り込みながら描くミステリー集。

(実業之日本社 792円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  2. 2

    フジ火9「人事の人見」は大ブーメラン?地上波単独初主演Travis Japan松田元太の“黒歴史”になる恐れ

  3. 3

    PL学園で僕が直面した壮絶すぎる「鉄の掟」…部屋では常に正座で笑顔も禁止、身も心も休まらず

  4. 4

    石橋貴明のセクハラに芸能界のドンが一喝の過去…フジも「みなさんのおかげです」“保毛尾田保毛男”で一緒に悪ノリ

  5. 5

    三浦大知に続き「いきものがかり」もチケット売れないと"告白"…有名アーティストでも厳しい現状

  1. 6

    松嶋菜々子の“黒歴史”が石橋貴明セクハラ発覚で発掘される不憫…「完全にもらい事故」の二次被害

  2. 7

    伸び悩む巨人若手の尻に火をつける“劇薬”の効能…秋広優人は「停滞」、浅野翔吾は「元気なし」

  3. 8

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  4. 9

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  5. 10

    下半身醜聞の川﨑春花に新展開! 突然の復帰発表に《メジャー予選会出場への打算》と痛烈パンチ