「100万回死んだねこ」福井県立図書館著
図書館には本の貸し借りをするだけでなく、「レファレンス」という大切な役割がある。簡単に言えば、利用者が探している本にたどり着くよう、司書が手伝うことだ。利用者に質問を重ねながら、正解を見つけていくのだが、中には難題なヒントを持ってくる人も。本書はそんなレファレンスで遭遇した「覚え間違いタイトル」を集めた面白読み物だ。
惜しい覚え間違いの筆頭は「夏目漱石の『僕ちゃん』ありますか」。似ているが正解はもちろん「坊っちゃん」。ほかに「『下町のロボット』探してます」「『下町ロケット』ならございます」、「『ゴリラ爺さん』ありますか」「『ゴリオ爺さん』でしょうか」などのやりとりも。
また、「100万回死んだねこ」(正解は「100万回生きたねこ」)、「摂氏451度」(*正「華氏451度」)と、1字違いで大変な意味になるタイトルなどを、正解と共にレファレンスのコメントを付けて紹介。
難解なものになると、「ウサギのできそこないが2匹出てくる絵本」、「独身男性が若い女の子を妻にしようとしていろいろ失敗した話」という情報から正解を導き出したというからアッパレだ。クイズ形式で96タイトルを収録。爆笑必至のため、電車の中で読むときは要注意だ。
(講談社 1320円)