「ガーナに消えた男」クワイ・クァーティ著 渡辺義久訳
ガーナ警察庁の女性巡査エマは、総監から性的暴行を受け反撃。警察をクビになり、探偵事務所で働き始める。一方、アメリカ・ワシントンDCに住むゴードンは、SNSで知り合ったガーナ人のヘレナと親しくなる。ゴードンの亡妻もガーナ人だった。
ゴードンの息子デレクは、父親が交通事故で入院中のヘレナの妹の治療費を支援していると知り、詐欺を疑う。調べると、ガーナでは霊能者を通して得た呪術的な力を用いる詐欺集団「サカワ」が暗躍しているらしい。息子から忠告されたゴードンだが、ヘレナを信じ、ガーナに向かう。
2カ月後、エマの事務所に連絡が途絶えた父親を捜してほしいとデレクが依頼に来る。
汚職がはびこる政情不安なガーナを舞台に描く長編探偵小説。
(早川書房 2640円)