「ウチの江戸美人」いずみ朔庵著 ポーラ文化研究所監修
出家した皇女や武家の女性が暮らすのが「比丘尼御所」と呼ばれる寺。だが、出家してもまだ爪紅をしていることなどを風刺した「爪紅を撞木に隠す比丘尼御所」という川柳が残っている。
肌に塗る白粉はのびのよい鉛白粉がよく使われたが、内臓疾患や神経まひを引き起こすため、明治期に歌舞伎役者が芝居中に足元がふらつくという事件があり、昭和に入ってから製造禁止になった。
高級遊女や金持ちの娘が使った口紅が「笹色紅」。「ひとはけ三十文」といわれるほど高価で、紅を何度も塗り重ねることで緑色の艶を出したという。
江戸時代の女性と現代の女性がルームシェアするという設定で、ちょっと過激な江戸のおしゃれを紹介する。
(晶文社 1760円)