「20ヵ国語ペラペラ」種田輝豊著
独学で30歳までに20カ国語をマスターした著者が、人生を振り返りながら語学の魅力と習得法を説いた半生記。
戦争末期の1945年春、6歳だった氏は広島から北海道の網走に強制疎開。小学4年で習ったローマ字で家にあったドイツ語の年鑑が読めないことに疑問を抱き、世界には日本語以外の言葉があることにショックを覚える。中学入学前には英語の学習をはじめ、英語とドイツ語には似通った単語があるのに、日本語だけはなぜこうも違うのか不思議に感じる。
やがて、自作ラジオで英語放送を聴いて、発音を磨き、高校時代には通学電車で出会った米兵に話しかけて自らの実力を試す……。
英語をはじめ、フランス語、フィンランド語などほかの言語をそれぞれどのように身につけたのか、そのノウハウも公開した語学の名著。
(筑摩書房 880円)