「対話からはじまる憲法」橋下徹、木村草太著
元政治家と憲法学者が、互いに論を異にする憲法について語り合う対談集。
橋下氏がかつて率いていた国政政党の国会議員ですら、憲法が何なのか理解していなかったという。その多くが国の理想像を描くものが憲法だと思っており、だから憲法に「家族」や「皇室」を大切にみたいなことを入れこもうとしていると指摘。自民党の改正案にも「家族は、互いに助け合わなければならない」などと書かれている。「家族を大切にする」という国家像と、現行憲法に記された「人権を尊重し、平和を大切にする」という国家像とは何が違うのか。そして前者を憲法に書いてはいけないのはなぜかを説く。
ほかにも立憲主義や自衛権、そして9条について忌憚(きたん)なく語り合う政治家、そして政治家を選ぶ国民も必読の書。
(河出書房新社 935円)