「帝都地下迷宮」中山七里著
区役所で生活保護の申請窓口を担当する職員の小日向の趣味は、廃駅巡り。ある夜、以前から計画していた銀座線の萬世橋駅への不法侵入を試みる。昭和6年に廃止され放置された駅に降り立った小日向が、ヘッドライトを頼りに神田駅方面に進むと、暗闇の中から女の子が現れた。香澄と名乗るその子によると、構内には大勢の人が住んでいるらしい。責任者の久ジイの元に連行された小日向は、秘密を漏らさないことを条件に特別市民として構内への出入りを許される。
しかし、エクスプローラーと名乗るこの集団がなぜ地下生活を送っているのかは分からない。何度か通う中、小日向はあることに気づく。
東京の地下で繰り広げられるノンストップ「鉄道」ミステリー。 (PHP研究所 924円)