「ファイナル・ツイスト」ジェフリー・ディーヴァー著 池田真紀子訳
懸賞金ハンターの名探偵コルター・ショウが、ある隠れ家に足を踏み入れるところから物語は始まる。
彼の父アシュトンは、民間諜報企業ブラックブリッジが進めていた都市部活用構想というプロジェクトを調査中に不可解な死を遂げており、ショウは父の残した手がかりを元にこの隠れ家にたどり着いたのだ。父と共にブラックブリッジの秘密を探っていた仲間たちも次々と変死しており、隠れ家で手がかりを探すショウにもさまざまな罠が待ち受けていた。
父親から伝授されたサバイバルの掟を胸に常に危険を察知しながら調査するショウは、ついに父が調べていた陰謀の核心が100年前の公文書にあることを突き止めたのだが……。
本書は、1カ所にじっとしていられない流浪の名探偵コルター・ショウが活躍するシリーズ3部作第1期の完結編。第1作「ネヴァー・ゲーム」、第2作「魔の山」で展開された謎がついに回収される。主人公が執拗な妨害を受けながら、断片的な手がかりを元に真実に迫っていくストーリーはスリリング。どんでん返しの魔術師と呼ばれる著者ならではの予想外の展開が楽しめる。
(文藝春秋 2860円)