「近代日本外交史」佐々木雄一著
古来、日本の対外関係は遣隋使や日明貿易など東アジアが相手だった。
16世紀、南蛮貿易を通じ、日本と西洋との関係が生じるが、江戸幕府が鎖国。18世紀末から19世紀にかけて再び西洋との接触が始まる。1853年のペリー来航を機に幕府は西洋諸国と条約を結ぶ。
当初は不平等条約を結んだ状態だったが、その後改正を果たし、日本は西洋諸国と並ぶ一員となった。日本の外交担当者は西洋諸国によって形づくられた国際秩序を比較的公正なものとみなし、その中で、日本は十分に発展できると考え、適合していった。しかし、1930年代に日本は国際社会との対決に向かう。
こうした国際社会・国際秩序との関係の視点から、幕末から太平洋戦争までの日本外交の軌跡を振り返る通史。
(中央公論新社 924円)