「悪意の科学」サイモン・マッカシー=ジョーンズ著 プレシ南日子訳

公開日: 更新日:

 ケルン大学のヴェルナー・ギュート教授は、最後通牒ゲームを考案した。

 ペアでプレーするゲームで、10ドルのうち、相手が提示する金額を受け入れるとその金額がもらえて、相手は残りの金額を受け取れる。例えば相手が8ドルで自分が2ドルを提示されたとき、2ドルを受け取るか、提案を拒否して自分も相手も何も受け取らないか、どちらかを選ぶ。このとき、約半数の人が、2ドルもらう提案を拒否した。

 人びとは自分が少額で相手が多額のお金をもらえるより、誰も何ももらえないことを選んだのだ。

 こういう悪意を持つ傾向に関わる要素がヒトのゲノムに組み込まれていることは間違いない。

 ヒトの悪意を分析し、コントロールすることを目指す、臨床心理学者の新しい人間観を紹介した一冊。

(インターシフト 2420円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元グラドルだけじゃない!国民民主党・玉木雄一郎代表の政治生命を握る「もう一人の女」

  2. 2

    深田恭子「浮気破局」の深層…自らマリー・アントワネット生まれ変わり説も唱える“お姫様”気質

  3. 3

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  4. 4

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  5. 5

    東原亜希は「離婚しません」と堂々発言…佐々木希、仲間由紀恵ら“サレ妻”が不倫夫を捨てなかったワケ

  1. 6

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    “令和の米騒動”は収束も…専門家が断言「コメを安く買える時代」が終わったワケ

  4. 9

    長澤まさみ&綾瀬はるか"共演NG説"を根底から覆す三谷幸喜監督の証言 2人をつないだ「ハンバーガー」

  5. 10

    東原亜希は"再構築"アピールも…井上康生の冴えぬ顔に心配される「夫婦関係」