「三兄弟の僕らは」小路幸也著
結婚25年を迎えた両親が旅先で交通事故で亡くなり、稲野家には大学3年の朗と高校2年の昭、中学2年の幸の3兄弟だけが残された。
北海道から駆け付けた母方の祖母・栄枝が葬式などの手続きを手伝ってくれた。70歳の栄枝はそのまま3兄弟と同居をしてくれることに。朗は、母親から栄枝とは「もうお互いに死ぬまで会うこともないと思っている」と聞かされていた。しかし、その理由は分からない。
ある日、3兄弟は家の前に駐車中の車が刑事の張り込みだと知り、大興奮。すると栄枝が自分も張り込みをされたことがあると言い出す。聞くと死んだ祖父が警察に追われていたことがあるという。
仲がいいと思っていた両親の死後、次々に明らかになる「秘密」に動揺しつつも向き合っていく3兄弟を描く家族小説。
(PHP研究所 858円)