「日本のカルトと自民党」橋爪大三郎著
「日本のカルトと自民党」橋爪大三郎著
安倍元首相の銃撃事件によって、自民党と旧統一教会の深い関係が明らかになった。しかし、自民党に影響力を持つ宗教勢力は、旧統一教会だけではないと宗教社会学者の著者は指摘する。
本書は、そもそもカルトとは何か、という基本を解説。その上で、自民党とカルトの関係に迫り、日本をむしばみつつあるその実態を明らかにする警世の書。
安倍元首相があれほど憲法改正に執着していたのはなぜか。自民党の憲法改正案は、宗教団体「生長の家」をルーツにもつ日本会議が作成した憲法改正案とそっくりだという。日本会議の本質は、各宗教団体を束ねる集票組織だと著者は指摘する。
さらに旧統一教会の信仰の実態や行動様式を分析。自民党と深いつながりを保ってきた背景とその目的を考察する。 (集英社 1276円)