「江戸の芸者」赤坂治績著
「江戸の芸者」赤坂治績著
江戸から明治となり、女性の舞台出演が公認されると、舞台に立つ女性たちは女優と呼ばれるようになった。明治期に国際的に活躍した女性の多くは、元々、芸者だったという。近代女優の母体となった江戸の芸者の誕生とその盛衰を解説した歴史テキスト。
江戸時代初期、男装した出雲のお国が「かぶき者」を歌と踊りで演じ、そのお国一座の芸能「かぶき踊り」を模倣して遊女屋が遊女たちに踊らせる「遊女歌舞伎」が興り大流行。恐れをなした幕府が女性の舞台出演を禁止する。
その後、武家屋敷に招かれて踊る、踊子と呼ばれる女性芸能者が現れる。やがて、歌舞伎の舞踊・音楽を習い覚えた素人の娘が玄人だけだった踊子に参入。
踊子は次第に芸者と呼ばれるようになったという。
(集英社 1012円)