「いつかみんなGを殺す」成田名璃子著
「いつかみんなGを殺す」成田名璃子著
富裕層に人気の5つ星ホテル「グランド・シーズンズ」。総支配人でホテルの後継者候補の鹿野森優花に、レストランのグランシェフから電話があった。
「あれが、あれが出たんだ! うわあああ」
その日は庭園で催される「ミッドサマードリームナイト」の最終日。歌舞伎界の大物、市川硼酸次が部屋に現れたGに大見えを切るという珍妙な儀式があるが、それに使う「ビッグG」が飼育箱から逃げ出したらしい。
Gが客室に現れたらホテルの評判はがた落ちだ。優花はあの人を招聘(しょうへい)するしかないと決断する。それはGを殺すスペシャリスト、姫黒マリだった。
後継者問題で揺れる老舗ホテルを描く、抱腹絶倒のエンターテインメント小説。
(角川春樹事務所 1980円)