「暴言市長奮戦記」山岡淳一郎著
「暴言市長奮戦記」山岡淳一郎著
2011年に明石市長になった泉房穂は、子育て政策を積極的に取り入れて人口増加を実現した。市長としての評価は高かったが、2022年に潮目が変わる。
前年、コロナ禍で苦しむ市民へのクーポン配布を議会が継続審議としたのに、専決処分で即座に実施したことなどから、泉に対する問責決議案が提出された。激高した泉が「問責なんて出しやがって」と暴言を吐いた。泉は以前にも暴言で辞職したことがあったが、泉の子育て政策を支持する母親たちの署名活動で再選を果たした。だが、今回は責任をとって政治から引退すると宣言した。
暴言は多いが、利権勢力と闘って子どもの医療費や保育料の無償化を実現した市長の奮戦記。
(世界書院 1650円)