「金正恩の核兵器」井上智太郎著
「金正恩の核兵器」井上智太郎著
ストックホルム国際平和研究所は、北朝鮮が最大20個の核弾頭を組み立てたと推計、世界で9番目の核兵器保有国として認定した。核弾頭の運搬手段としてのミサイル開発も着々と進んでいる。国交もない隣国の核武装は、日本の安全保障において正面から考えるべき現実的問題になっている。
北朝鮮による核兵器開発の歴史と戦略を解説しながら、その使用をいかに封じ込めるかまで考察した国際関係テキスト。
1950年代の朝鮮戦争にまでさかのぼり、北朝鮮が核開発に着手した背景を詳述。その高度化の経緯をたどりながら、2017年の緊迫した米朝危機と、一転して行われた史上初の米朝首脳会談の内幕を検証する。さらに北朝鮮が実際に核兵器を使用する可能性と関係国の対応、そして日本の課題にまで言及する。
(筑摩書房 1034円)