「教養としての『病』」佐藤優、片岡浩史著
「教養としての『病』」佐藤優、片岡浩史著
外交官から作家に転じ、精力的な言論活動を展開してきた佐藤氏だが、持病の腎臓病の悪化で昨年1月から週3回の人工透析に通う。その後、腎移植に備え検査を重ねる中、早期の前立腺がんが見つかり全摘手術、さらに心臓の精密検査で冠動脈狭窄が見つかりステント治療を受けたという。
10年生存率60%、平均余命8年と宣告された氏が、元JR社員という経歴を持つ主治医の片岡氏と、患者と医療者のそれぞれの立場から「病」について語り合う対談集。
佐藤氏は、医療行為とはつまり「患者と医者の共同体を作ること」だという。ではどのようにその共同体を作るのか、そして腎臓病という病気について、さらに現代医療の問題点や病気の最終ゴールである死まで、縦横無尽に語り合う。
(集英社インターナショナル 1034円)