「ウクライナ戦争の嘘」佐藤優、手嶋龍一著
「ウクライナ戦争の嘘」佐藤優、手嶋龍一著
ロシアとアメリカを知り尽くした2人の論客がウクライナ戦争の深層を読み解いた対談集。
日本や西側陣営は「責任は100%、侵略に手を染めたプーチン」にあり、この戦争は「民主主義を守る正義の戦い」だと主張している。しかし、それでは戦争の現状を膠着させ、核の使用というリスクを高めてしまうと警告する。
プーチン、そしてロシア側の思考を読み解き、ウクライナが主張通りに、クリミア半島を取り戻すために攻勢をかけた場合は戦いのフェーズはさらに上がると危惧。さらに「アメリカはウクライナが望むような勝利のシナリオは描いていない」と、アメリカの戦争に対するスタンスを解説する。そして、ウクライナ戦争と台湾危機が地下水脈でつながることを明らかにしながら、日本が取るべき針路を示す。
(中央公論新社 968円)